科学的介護の一番の目的とは

介護士など、介護に携わる仕事をしている人なら一度は「科学的介護」という言葉耳にしたことがあるでしょう。科学的介護とは単純に「科学的に裏付けされた介護」のことを指しています。もともとは医療分野における「根拠に基づく医療」から派生したものです。

要介護者は「要介護度」という尺度によって介護の必要度を見極めることができます。しかし、どのような介護を必要としているかは、身体能力や状態によって大きく異なります。ここで高齢者の健康状態や、リハビリやケアといった内容をデータとして収集し介護サービスの充実化を図ります。これが、科学的介護の土台です。常にデータベースは更新されていくので介護士にも介護を受ける側にとっても「負担がかからない生活」ができるようになります。

科学的介護の一番の目的としては、利用者(要介護者)自身が自分にプラスになる介護サービスの受け方が判断できることが挙げられます。これまでは介護する側が決定してきたケアプランに沿った介護が中心的でしたが、これが要介護者の生活の質を下げる可能性が指摘されていました。要介護者自身ができることを伸ばし、手を差し伸べてほしいポイントなどを精査できるようになったため、主体的な生活や生き方を促せるようになりました。科学的介護は、要介護者の自立支援や要介護度を上げない「重症化を防止する」ことが期待されています。科学的介護を用いた介護を導入し、要介護者主体のサービスを受けることで生活に張り合いを持てるようになります。